2024/06/23

槇尾山根来谷方面観察会の記録

 

令和4年4月17日(日) 槇尾山根来谷方面観察会

案内文(参考資料) → 【こちら

下見時に撮った植物の写真 → 【こちら

当日観察した蘚苔類リスト → 【こちら


 槙尾には西国33ヶ所巡りの施福寺があります。参拝はバス停から30分歩いて登るので巡礼さんには最大の難所となっています。槙尾山の標高600mぐらいですが、三国山を経て和歌山に通じ、 標高の割に山が深い感じを受けます。今回は、根来谷の途中までの往復とバス停付近を観察して歩きました。いつものように超ゆっくりで進んだので楽に歩けました。根来谷は杉植林の北斜面にあり、いつも暗い道ですので、あまりカラフルな花が目立つコースではありません。そのかわり、シダ植物が数多く観察できると期待していたのですが、あいにく、道に沿って下草が刈られていて観察できる数は少なくなりました。その分、今回は、コケに詳しい左木山さん(今観察会担当者)にたっぷりとコケの魅力を語っていただくことができました。全部を覚えるのも記録するのもできなくてすみません。

 今回、17人もの参加があり、近年になく盛況でした。槙尾のバス停までのバスの乗車定員が少なく、全員が予定時刻に揃うことができるか大変心配しましたが、10時ごろ、同時に全員揃うことができて本当に幸運でした。午前中は根来谷を登り、時間が来たところで昼食をとって引き返しました。

 谷道でぱっと目立った花はサツマイナモリ(白)とヤマブキ(黄)でした。サツマイナモリは群生というレベルで咲いていました。タニギキョウ(白)もありました、色は地味ですがミヤマカンスゲ、ヤマアイ、サンショウソウ、マムシグサの仲間もたくさん見られました。珍しいところではナベワリが咲いていました。木本ではアオキが花をつけていました。雌雄異株で、ルーペで雄しべだけの花と雌しべだけの花を確認しました。あまり見かけないイズセンリョウもたくさんありました。ハナイカダがありました。カゴノキもありましたが、幼木はカゴノキの代名詞の樹皮模様ではなく、芽吹きの様子や葉の形から同定しました。

 バス道は日当たりがよく、きれいな花がいろいろと見られました。オオバタネツケバナ(白)、カキドオシ(赤紫)、シャガ(白)、ジロボウエンゴサク(桃)、関西/西洋タンポポ(黄)、ヒメオドリコソウ(桃)、タチツボスミレ(薄紫)、ヒメスミレ(薄紫)、ムラサキケマン(赤紫)、キュウリグサ(青)、オニタビラコ(黄)、クサイチゴ(白)など観察機会の多いものが咲いていました。木本で花が目立っていたものは、ヤマツツジ、八重桜、カマツカ(白)、ヤマウグイスカグラ(桃)、ハナズオウ(桃)、ウワミズザクラ(白)などでした。その他をあげておきます。ブナ科ではアラカシ、シラカシ、ウラジロガシ、ツクバネガシ、コジイ、コナラ、マテバシイ。その他、イヌマキ、コウヤマキ、タラノキ、シロダモ、ネズミモチ、イチョウ、ヒサカキ、ニワトコ、シキミ、ソヨゴ、コバノガマズミ、カラスザンショウ、エノキなどです。植栽樹がたくさんありました。

 シダではイワガネソウ、ゼンマイ、キジノオシダ、オオキジノオ、シシガシラ、トウゲシバなど25種ぐらい。コケは30数種類。岩壁に生えるハマキゴケは乾燥時は茶色ですが、スプレーで水をかけるとわずか10秒で緑色に変わりました。アブラゴケは光にかざしてルーペで見ると、大きな細胞が見分けられました。

0 件のコメント:

コメントを投稿