2024/12/07

2022年11月6日(日)犬鳴山渓谷 植物観察会の記録

9時50分に犬鳴山バス停で木村副会長の挨拶の後、出原さんから今日の観察会のコースと見どころについて話をしていただきました。出原先生の話の中で、今回はエノキとコバノチョウセンエノキの観察、ナキリスゲとオオナキリスゲの比較、いくつかのハギ(特にキハギ)の観察などをポイントとしました。

犬鳴山バス停を出発し森の中に入っていくと、まずキハギの観察でした。キハギの葉先は尖り、全体が平面的に並んでいるようでした。杉や雑木の林では薄暗くヒメコウゾなどのいろいろな木々やササクサやチヂミザサなどの下草、シダ類などが繁っていました。さらに進んでいくと、オオナキリスゲを見つけることができました。ナキリスゲのすべての小穂は、上に雄花がつき下に雌花がつくが、オオナキリスゲの頂小穂には雌花がなく雄小穂のみとなる特徴で見分けることができました。そのあとすぐにコバノチョウセンエノキを見つけることができました。その後もエノキとコバノチョセンエノキを見ましたが、葉の形では見分けのつきにくいものもありました。

途中、藪の中に入って観察しました。そこでキジョラン、イワタバコを観察しました。キジョランはアサギマダラの餌となることを聞き、つるになって高木のてっぺんまで伸びていく様子を見ることができました。午後には道すがらアサギマダラの優雅に飛ぶ様子を見ることができました。

藪を出て坂を上っていくと、タイミンタチバナの木がありました。この木は黒潮に乗ってくるとのこと、このあたりから南、西に多くあるそうです。再び藪に入り、レモンの香りがするレモンエゴマや硬いとげのような葉をもったカヤを地面の近くで見つけるなどしました。山道に戻り少し進んだところで、鮮やかな瑠璃色の実をつけたルリミノキを観察し皆がカメラを向けていました。

七宝瀧寺では6日に火渡りの行事が行われていたため、行事の妨げにならないよう端の方でカギカズラの観察をしました。葉の付け根に1個,2個と繰り返し鉤が付き、その鉤を大木の枝に引っ掛けながら、大木の頂上まで登ってくのです。植物の戦略に恐れ入ります。昼食をとった駐車場で大きく育ったカギカズラを見つけ、その先に実がついているのを見つけました。

昼食後は車道を上り、階段を少し下ったところでフユザンショウ、カワミドリを見ました。再び車道に戻り、今度は下りながらバス停へ戻っていきました。その途中ギンリョウソウモドキを見ることができました。アキノギンリョウソウとも言いギンリョウソウよりも遅い時期に出てきます。ギンリョウソウの花は下を向いたままで成熟し、ギンリョウソウモドキの花は下から上へ向きを変えて成熟します。最後にキチジョウソウの群落を観察し、蕾や花や実を見ることができました。

帰りは予定を変えて早く下山したこと、早いバスの時間を調べずにいたことなど、帰りについて参加者の皆さんにご迷惑をおかけしました。この場をお借りし、お詫びいたします。

好天に恵まれたことと、出原先生がとても詳しく調査され、資料を準備してくださったことで様々な植物を十分に観察することができました。


下は、会員のブログから、当日観察した植物に関する情報です。(植物名をクリックしてください。)

 カギカズラ カワミドリ フユザンショウ 

 

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