2025/06/07

令和5年11月5日(日)近つ飛鳥風土記の丘周辺観察会の記録

当初は雨の予報だったが、好天となり最高気温が28℃に達するなど11月としては暑い一日だった。集合場所の富田林駅には11人が集まり、来月20日に廃止となる金剛バスで河南町の平石バス停まで行った。このあたりは田畑が広がる農村地帯で古くからの里山の風景が見られる。ここからススキの穂が白く光る穏やか登り道で、約1km先の高貴寺をめざす。途中、アキノノゲシ・アキノタムラソウ・ヤマハッカなどの花とともに、やや時期はずれのクサノオウやホトケノザ・オニノゲシ・ウシハコベの花も見られた。カナムグラの雌株は結実し、枯れた花序をつけた雄株と対照的。いずれも地下に閉鎖花をつけるミゾソバとヤブマメも花盛りであった。橙色のカラスウリや赤いサネカズラ・黒紫色のアオノツヅラフジなどのつる植物の実が目を楽しませてくれる。次第に山に近づき、小川のそばにはセキショウやボントクタデ・ヨシノアザミ・シャガなどが生え、シダ植物の種類もイヌワラビ・ワラビ・ホシダなどの人里の種から、ホソバカナワラビやリョウメンシダなどに移り変わっていく。

高貴寺まで緩い坂を上って行くと赤い実を次々と目にする。民家の庭にあったピラカンサとウメモドキ、それ以外にもソヨゴ・ウラジロノキ・コマユミ・クロガネモチ・ナナミノキ・アオハダ等、様々な大きさや色合い・質感の異なる赤い実を見た。高貴寺の山門のそばにはフユノハナワラビの群生が見られた。寺を出たところに、下見の時にはつぼみだったシマカンギク(アブラギク)の黄色い花が咲いている。次にヒノキの植林を経て着いた磐船大神社付近には、コジイの大木がたくさんあり、ちょうど実が落ちており、拾っている方も多かった。神社境内のサカキには黒い実ができていた。ここで昼食をとり、午後1時に神社を出発したが、最初は思いのほか長い急坂が続く。コジイ林が切れたあたりから、数本の大きなアカマツが見られ、低木のコバノミツバツツジ・ネジキ・ヤマウルシ・カマツカ・モチツツジなどアカマツ林に多い種が出現し、大部分のアカマツは枯れてしまっているが、以前はアカマツ林が広がっていたことがわかる。

坂を下りきって道路に出て、少し急な坂道を竹林の中を登って行くと、平石城跡に行く分岐点につく。少し寄り道をするが、あまり展望は良くない。説明によると「赤阪城の支城の1つで、この地の豪族平岩茂直が元弘元年(1331年)に立てこもり、その後正平14年(1359年)楠木正儀がこの城を固め足利勢と戦った」とあった。その後、今日の目的地の近つ飛鳥風土記の丘に向かう。途中、右側はゴルフ場で左も谷になった尾根道を歩く。左側の低木が途切れたあたりで大和葛城山を正面に眺めることができた。この道にはコナラが多く、ちょうど熟したアケビの実がたくさんぶら下がっていたが、もうちょっとのところなのに手が届かなかった。

このあとはずっと平坦かゆるい下り道で快適だった。左側の谷には今はタケやヨシ・クズなどで覆われて荒れているが、平らな土地やため池などがあり、昔は水田があり高齢化で放棄されたと思われる。降りて調べてみると貴重な植物が見つかるかもしれない。このあたりで取ったウラジロでグライダーを作って遊んだ。ウラジロの先端の二股部分(一対の羽片)をくっつけたまま切り取り、紙ヒコーキよろしく投げると、下り道の方に向け投げるとうまく滑空する。ほどなく、近つ飛鳥風土記の丘に到着し、足元にこれまで多かったウラジロノキとは異なる赤い実があり、上を見るとアオハダだった。樹皮をこすり取ると緑色なのと短枝があるのが特徴。その後、古墳群の間を歩き、赤い実をつけたタラノキを見ながらバス停まで下り解散し、富田林行と喜志行の金剛バスに分かれて乗車した。



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