2025/06/07

2024年10月20日 鶴見緑地公園観察会の記録

 このところ雨で中止となる観察会が多かったが、この日は晴天に恵まれ、爽やかな風の中、気持ちのいい観察会となった。 大阪メトロ鶴見緑地駅に午前10時に集合し、木村副会長の挨拶の後、観察を開始する。

 まず、中央大通にあるメタセコイアとラクウショウで両者を比較する。樹形を比較した後、どれが1枚の葉か、その根拠は、などのクイズで長枝と短枝を理解し、葉が対生のメタセコイアは球果の鱗片も対生、葉が互生のラクウショウは球果の鱗片も互生であることを確認した。

 「自然体験観察園」に入ってすぐの所にヤブガラシがあったので、このツルは茎が変化したものか、葉が変化したものかを、葉が互生か対生かに注目して考えた。

 さまざまな植物を観察しながら進む。ここで育っている木には、植栽されたものと、鳥が運んできた種子に由来するものとが混じっているようだ。ジュズダマ、カラムシ、ミゾソバなどを観察しながら進む。コウホネが咲いていた。田にはデンジソウが見られた。よく育ったマコモがあった。この芽が黒穂菌に感染して大きくなったものはマコモダケの名で店先にも並ぶようになってきている。外来植物のマルバツユクサも見られた。

 古代米が育てられていた。見るとふつうのイネには無いノギが発達していた。多くのイネ科に見られるノギは、食害から種子を保護し、種子散布にも役立つと考えられているが、イネでは収穫時の妨げになるとして、栽培化の過程で選抜、除去されている。

 「風車の丘」ではコキア(ホウキギ)やミューレンベルギアが美しかった。ギンドロ(ウラジロハコヤナギ)が地下茎で増えていた。風車をバックに記念写真を撮った。

 ホシアサガオとマメアサガオの比較などを行いながら、「日本庭園」へ。背後に作られた流水中にはアメリカオオアカウキクサと思われるシダ植物があった。

 ここから少し北に進んだ「西アジアレストハウス」近くの休憩所で昼食を取った。昼食中、ハシブトガラスが早く出ていけ!とばかりに鳴き続けていた。

 昼食後、ナギやナンジャモンジャノキなどを観察しながら山のエリアを下る。途中、イヌビワがあったので、この雌株・雄株とイヌビワコバチとの関係を説明した。また、アメリカデイゴが咲いていたので、花の色、ガクの丈夫さ、密の多さなどから鳥媒花と考えられることを説明した。

 山のエリアの「西ゲート」から「せせらぎの滝」へ。ここではカツラの短枝と長枝について説明した。「緑のせせらぎ」に沿ってアベマキ、ハンゲショウなどを観察しながら歩く。コケ植物では、ヒナノハイゴケ、サヤゴケ、ヒロハツヤゴケ、ケカガミゴケ、フルノコゴケなどを観察した。

 「けやき通」を通り、「咲くやこの花館」前へ。当初は全員で入館の予定であったが、温室の工事中であることや通路が狭く全員集まっての植物観察が困難であることなどから、いったんここで解散し、希望者のみで入館することにした。

 「咲くやこの花館」では、石垣島や沖縄などで見られるサガリバナやマングローブで見られるオヒルギ、アリと共生する植物、トックリキワタの花と実、多くの高山植物などを楽しんだ。咲くやこの花館は広いバックヤードで開花調節し、頻繁に植物を入れ替えているので、高山植物なども季節に関係なく楽しめる。         (左木山 記)

【その他の観察した植物】
アキニレ、ユズリハ、ヒメコウゾ、センダン、コナギ、ナツメ、エノキ、ケヤキ、コブシ、アメリカフウ、イロハモミジ、アメリカノウゼンカズラ、オオオナモミ、アカギ、スイフヨウ、ヒトツバタゴ、トウネズミモチ、クヌギ、クマシデ、アカシデ、ニシキギ など

 


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