2025/06/07

令和5年9月24日(日)能勢町地黄湿地観察会の記録

 

日ごろ見ることができない湿地の植物をじっくり楽しめる観察会になりました。

9時20分、能勢電鉄妙見口駅前集合で挨拶と初めのレクチャーを始めました。出原さんから地図と植物リストの資料で今日のコースの説明を聞き、さらに、今日の目的の1つとしてヒメシダ科3種類の見分け方を教わりました。ハシゴシダ、ヤワラシダ、ハリガネワラビを見分けられるよう観察をしました。 9時45分に2台のタクシーで地黄郵便局前まで行き、観察を始めました。

地黄湿地までは田んぼの横や林の中の道を進みました。そこでは、マルバアオダモやヤマハゼ、サンショウ、ウリカエデ、クロモジといった里山の樹木がみられました。ボントクタデとイヌタデ、イヌコウジュとヒメジソといったよく似た植物の比較などもできました。そのうち、シダがたくさん見られるようになり目的のシダの同定をはじめました。初めに出てきたのはヤワラシダです。軸の色とソーラスの位置で見分けることができました。林の中に入り、地黄湿地に近づくとハリガネワラビが多くなりました。残念ながらハシゴシダを見つけることはできませんでした。樹木ではオオバヤシャブシとヒメヤシャブシがあり、その見分けもすることができました。

地黄湿地は許可なく立ち入ることができません。そこで、能勢町で里山の保全活動をされている湯浅さんに湿地の立ち入りと案内をお願いしていました。12時5分に地黄湿地についたとき、湯浅さんが柵の鍵を開け準備してくださっていました。そこで、昼食にして12時30分から約2時間、湿地の観察をしました。湿地は上池と下池に分かれています。まず上池の周りのセンブリを見に行きました。以前は沢山あったそうですが、林の木を伐採したためにずいぶん減ったとのことでした。その後、シロイヌノヒゲ、イヌノハナヒゲ、スイラン、キセルアザミ、シカクイなど様々な湿地植物を見ることができました。水の中にはタヌキモがありました。次に、下池へ行くと、背の高い草の中に混じってムカゴニンジンを見つけることもできました。湿地を進んでいくと、アケボノソウが一輪だけ咲いていました。聞けば昨日は咲いていなかったそうで、私たちのために今日咲いてくれたように思いました。このように町中や野原では見られない植物がまだまだ沢山ありました。しかし、この里山や湿地には野生のシカがいて、植物を食べるために困っているとのこと。そういえば湿地に来る途中にもシカよけの電気柵がほとんどの田や畑にありました。能勢は栗の産地ですがシカはとても困った動物というわけです。湿地でもキセルアザミをはじめ多くの植物がシカに食べられていました。そこで、防鹿ネットで保護区画を作り、その効果や植生の違いを調べているそうです。下池を出て、14時20分ごろに湿地を後にしました。

そこからは1時間ほど歩いて途中の休憩地点である興徳寺まで行きました。途中の道は舗装されているところが多かったですが、日本の原風景のような景色を楽しみながら進みました。興徳寺からも1時間ほど歩き、16時10分ぐらいに野間の大ケヤキにつきました。大ケヤキにはフクロウやアオバズクが来たことがあるとのことでした。16時15分タクシーで妙見口駅までもどり、出原さんから本日のまとめをして頂き解散しました。観察会とは違いますが、妙見口からのバスが平日も無くなり、ケーブルカー・リフトも無くなるそうで、寂しく思いました。 

地黄湿地で見た植物(一部)を【こちら】に載せました。

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